useful-info

【解説】CareTEX福岡2018 専門セミナー「介護事業所の経営者・施設長必見!人材定着と組織力強化のための職場改善のポイント」の担当講師による解説④

※この記事は、前回の続きです。前回の内容をご覧になっていない方は、是非そちらもご確認ください。

 

セミナー資料のダウンロードは以下をクリック

(資料1/2)

(資料2/2)

 

 

「ヒューマンスキルの内容」

 

介護事業所の組織活性や向上において、必要な取り組みはヒューマンスキル系の様々な研修などが必須ですが、その中でも組織と職員のベクトル(各事業所の目的や存在意義等)の理解と共有が全てのプラットフォームとなります。

 

組織の立て直しや再構築から活性化までますは、「ロイヤリティ」と「コミュニケーション」を抑えるべきでしょう。

「ロイヤリティ」は一般的に愛社精神などと理解されている場合が多く、人によってとらえ方は様々ですが、すくなくても同じ組織、同じチームで仕事を進めるにあたり、必要なモチベーションの源泉(帰属意識・仲間意識)となります。

 

介護業界のように各種専門職の集まりの場合は、自分が所属している施設よりは自分の専門分野、つまり自分自身の能力や専門性に対してのロイヤリティの方が高い傾向にあるかもしれません。

極論ではありますが、周りの同僚や利用者よりは自分自身にスキルに対して意識が高く、周りよりは自分を優先する傾向です。これは他の業界でも、例えば製造技術者やシステム開発などの専門職にも見られます。

 

本来は同じような職業観やチームワークの気持ちを持って仕事に臨むべき業種でありますが、意外と自分たちの施設の良い(強み)ところに意識がいってないようです。

よく見かけるのが、自分たちの強みや良いところ誇れるところに目がいかず、ともすれば仕事のここがだめとか上司のここがだめ、施設のここがだめ、仲間のここがだめと問題点や弱み、負の部分ばかりに気がいきがちです。

もちろん問題点は解決すべきことですが、その問題を解決するためには自分たちの強みや良さが大きな武器となるのにそこに気がいかないのです。

 

実は、自分たちは事業所創業以来、先輩職員達が築き上げてきた大きな信用や信頼があり、そのうえで自分たちが現在日常的に関わっている仕事が、自分を含めこういう理由で利用者やその家族、地域社会まで大きく貢献しているのだという事実を今一度気付いてもらう、成功体験の振り返りも必要だと考えます。

 

それは決して妄想でも偽りでもなく、間違いなく胸を張って主張できるものです。

そのような事実が改めての仕事に対する自信や誇りにつながっていくのかもしれません。

 

もちろん経営者の中にはロイヤリティを歪曲して、社会貢献度の高い仕事についているのだから、労働条件や労働環境が悪くてもがんばろうと、職員の善の気持ちに寄りかかって事業運営をしている、いわゆるブラックな経営姿勢の事業所も決してないとは言えません。

経営者のその気持ちは間違ってはいませんが、実現できるできないは別として、少なくても経営努力として労働環境や労働条件の改善に努めている姿と意思は必要です。

その努力を怠っているとロイヤリティなど期待はできないと考えます。

 

次に「コミュニケーション」ですが、これは対職員・対利用者・部署間など様々な場面で必要なスキルですが、やはり人間関係の基本はコミュニケーションにあるのは事実です。

コミュニケーションには、具体的に人柄や人間性など心の面と聞く力、話す力、質問する力などテクニックの面とあります。

 

以前の日本型組織が当たり前の時代は、上下左右の関係の中で阿吽の呼吸的な動きやいい意味での忖度などが期待できていましたが、いろんな価値観を持った世代間では、やはり言葉にしないと伝わらない事も多い時代です。

 

仕事がら特に事業経営者などとやり取りしていると自分の事業や組織や職員に対する気持ちが思うように伝わらず、悶々としている方を見受ける事も決して少なくないのですが、経営側の目線で見ると、伝わらない強い思いほど厄介なものはないと私など強く感じたりします。

一つは伝える側と受ける側の感度の違いもありますが、やはりヒューマンスキルの力量の問題が少なからずあると思うのです。

 

また、部署間の連携不足もほとんどの場合、コミュニケーション不足による誤解から様々な問題が発生しています。

ただ、コミュニケーションのテクニカルな力を上げていけば、問題が解決するかというとそうではないのがいろんな価値観を持った人間で構成する組織の難しいところでもあるのです。

しかしながら、コミュニケーションにこだわっていくと、自然と風通しの良い組織風土に近づいていく可能性は非常に大きいものがあります。

 

今と同じことをしていて、同じ成果は望めない、今まで違う、新たな取り組みが必要になってきている業界が介護業界です。

CareTEXセミナーでは、行政主催の介護業界向けの福岡県側のチーフコンサルタントとして実施したコンサルティングや人材育成のフローも紹介させていただきましたが、この辺で、セミナーで私が講演した内容の解説は終わりたいと思います。

 

介護・福祉・医療業界の組織改革や活性化、経営の改善から人材育成、制度改革、問題解決はSPEC経営研究所までお問い合わせ下さい。

 

記事署名:SPEC Labo. 佐藤康弘

ご相談・お問い合わせをお待ちしております。

092-555-2722

平日9:00〜18:00 (休・祝日を除く)

お問い合わせ

メールは24時間受け付けております。

こちらの記事も読まれています。

  • 現場レポート③(社会福祉法人はぜの実会様)現場レポート③(社会福祉法人はぜの実会様) 今回も久留米にある社会福祉法人はぜの実会様での取り組みを紹介いたします。   内容は第2回ヒューマンスキル研修(一般職・管理職)で、一般職を3グループ、管理職を1グループの合計4グループという編成で実施しました。最終グループは11月8日に実施した管理職グループで、これをもってヒューマンスキル研修は終了となります。 今後ですが、管理職のみ12月にテク […]
  • CareTEX福岡2018 専門セミナー「介護事業所の経営者・施設長必見!人材定着と組織力強化のための職場改善のポイント」開催!!CareTEX福岡2018 専門セミナー「介護事業所の経営者・施設長必見!人材定着と組織力強化のための職場改善のポイント」開催!! 本日7月4日(水)、マリンメッセ福岡で催されたCareTEX福岡2018(2日目)にて、当研究所の佐藤康弘が「介護事業所の経営者・施設長必見!人材定着と組織力強化のための職場改善のポイント」と銘打った専門セミナーに登壇いたしました!!       専門セミナーの中ではもっとも早い10:00スタートにも関わら […]
  • 現場リポート②(社会福祉法人はぜの実会様)現場リポート②(社会福祉法人はぜの実会様) 10月に入って急に涼しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか? 今回も引き続き社会福祉法人はぜの実会様での実際の取組みをご紹介いたします。     SPEC経営研究所のご提案の特徴は、正職員・非正規職員・パートといった雇用形態の区別なく、正真正銘「全職員」が一丸となって組織改革に取り組んでいただく点にあります。 &nbs […]
  • caretex福岡2019 専門セミナーの御礼caretex福岡2019 専門セミナーの御礼 先日7月3日〜4日に開催された介護業界最大級BtoB商談展にて開催された専門セミナー(人事・教育コース)にて弊社チーフコンサルタント(佐藤)の講演が盛況のうち、無事終了したことを感謝とともにご報告致します。 講演の前半では、介護業界特有の経営・組織運営上の問題点の考察についてお話させて頂き、後半は福岡県や福岡市等行政側のコンサルタントとして指導や支援してきたノウハウのご […]
  • 「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項~厚生労働省「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項~厚生労働省 パートやアルバイトを中心に、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成される勤務割や勤務シフトなどにおいて初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような形態があります。 このような契約には柔軟に労働日・労働時間を設定できる点で当事者双方にメリットがある一方、労働紛争が発生することもあります。厚生労働省が、使用者が現行の労働関係法令等に照ら […]
  • 【重要】福岡市介護事務効率化支援事業 第2弾セミナー開催(参加費無料)【重要】福岡市介護事務効率化支援事業 第2弾セミナー開催(参加費無料)      福岡市主催の「令和5年度介護事務効率化支援事業」の第2弾として「成功事例&失敗事例の最前線ICT導入座談会」を開催致します。介護事業所の労務改善に取り組むコンサルタントの佐藤康弘が総合司会を務め、コンソーシアム事業所の医療法人柏愛会から桑田伸枝、一般社団法人クオリティ・ライフから井上雅之がパネラーとなり、ICT導入において、各社の成功事例や失敗に繋がる恐れのあるケ […]
PAGE TOP