離職率を効率的に改善するためのポイント①
私事ですが、先日、体調を崩して掛かりつけのクリニックに行きました。
通院し始めて3年ほど経ちますが、自分の体調について最初に意見を訊くのは、そのクリニックの先生と決めています。
受付で診察待ちをしている間に、「なぜそこまでの信頼を置くようになったのか?」を改めて考えていたのですが、診察室に呼ばれて診察を受けているときに答えが出ました。
理由は、たった一つ。
診察、つまり「現状分析」がとても丁寧なのです。
根拠がはっきりしているから「○○という薬を処方しますね。」といわれても、非常に納得感がありますし、「きっと適切な判断なんだろう」という安心感もあります。
しかしこれが、事業所の、特に「人」がからむ局面になると、現状分析が曖昧なまま処方箋を書こうとしていることが珍しくありません。
今回のテーマ「離職率」で言うならば、上層部が、職員の退職理由を正確に把握していないケースです。
というのも、機会があって職員の方と面談したときに、
「ここ1ヵ月で○人退職して・・・上層部には『親の介護の事情で』と伝えたようなのですが、実は、職員だけで話をしているときには『将来が漠然と不安』と漏らしていたんですよね・・・」
といった本音を耳にすることがよくあるのです。
現状分析が正しくなければ、対策も的を外してしまいます。
これまでの退職者の離職理由は、整理していつでも確認できるようにまとめてあるでしょうか?
その離職理由は建前ではないでしょうか?
この点は、離職率の高低にかかわらず、丁寧に検証して損はしないと思います。
もしかすると組織改善の貴重なヒントになるかもしれません。
それでは次回は、離職理由について、介護業界を俯瞰してその傾向を分析してみましょう。
業界の傾向と自事業所の現状が一致しているとは限りませんが、参考資料としては大いに有用かと思いますのでお楽しみに。
記事署名:SPEC Labo 山本慎太郎